財形年金 自助努力型年金に衣替え
税制優遇し公的年金を補完する制度へ(労働省案)
Updated on 9/20/97

 労働省は現在の財形年金貯蓄制度をサラリーマン本人の拠出をベースとし、運用実績によって給付額を決める自助努力型年金に衣替えする方針を決めた。公的年金の給付水準の引き下げなどに伴い、既存の年金・退職金だけでは老後の所得保障が不十分になると判断し、税制優遇策などで魅力を高め、公的年金を補完する制度に改める。99年の通常国会に勤労者財産形成促進法改正案を提出する。

 財形年金の衣替えは労働省の「勤労者拠出型年金制度研究会」が19日にまとめた報告書で提言した。
 現在の財形年金貯蓄は給与の一部を積み立てる貯蓄制度の1つ。給与天引きで5年以上積み立てて、60歳以降に年金の形で引き出す仕組み。ただ積立金の非課税措置は元本550万円までに限られる。企業が積立金に上乗せする補助金を出すこともできるが、その額は年10万円に限られている。老後の所得保障としては利点が少なく、96年度末の契約者数は前年末比9万人減の308万人と低迷している。
 報告書は財形年金の魅力を高めるには税制上の優遇措置が必要と指摘。掛け金を厚生年金の保険料と同様に所得控除の対象とすると同時に、積立金は上限を外して全額非課税とし、所得課税は老後に引き出す段階まで繰り延べするよう提言した。企業が補助する資金にかかる特別法人税の撤廃も検討課題に掲げた。
 労働省は税制の見直しを大蔵省に要望するとともに、財形年金制度を毎月の掛け金が一定で、運用実績に応じて将来の年金給付額が決まる「確定拠出型年金」として整備する。具体的には、現在は途中で契約金融機関を変更できないが、有利な運用をしている金融機関にサラリーマンが預け替えられるようにする。転職しても継続できるように改め、雇用の流動化にも対応する。企業の拠出金の上限は従業員の拠出額と同額まで拡大する。