平成10年(度)分所得税及び個人住民税の改正後の特別減税のあらまし
Updated on 6/26/98

 今般、「平成10年分所得税の特別減税のための臨時措置法」及び「地方税法及び地方財政法」が改正されました。この改正により、平成10年(度)分所得税及び個人住民税の特別減税は、次のとおり実施されることとなりました。

平成10年分所得税の特別減税のあらまし
 平成10年分所得税の特別減税の概要は次のとおりです。

説明文中の次の用語は、それぞれ次に掲げる意味で使用しています。
「給与特別減税額」
 給与の支払者のもとで控除される特別減税額
「月次給与特別減税額」
 平成10年2月以後に支払われる給与に対する源泉徴収税額から控除される改正前の給与特別減税額
「基本追加給与特別減税額」
 平成10年8月以後に支払われる給与に対する源泉徴収税額から控除される給与特別減税額の引上額
「追加給与特別減税額」
 基本追加給与特別減税額に平成10年7月31日現在における月次給与特別減税額の控除未済額を加算した金額
「年調給与特別減税額」
 年末調整の際に年税額から控除される給与特別減税額
「年金特別減税額」
 公的年金等の支払者のもとで控除される特別減税額
「当初年金特別減税額」
 平成10年2月以後に支払われる公的年金等に対する源泉徴収税額から控除される改正前の年金特別減税額
「基本追加年金特別減税額」
 平成10年8月以後に支払われる公的年金等に対する源泉徴収税額から控除される年金特別減税額の引上額
「追加年金特別減税額」
 基本追加年金特別減税額に平成10年7月31日現在における当初年金特別減税額の控除未済額を加算した金額
「予定納税特別減税額」
 平成10年分の予定納税額から控除される特別減税額

(1)特別減税の対象者
 特別減税の対象者は、平成10年分所得税の納税者である居住者又は非居住者(総合課税の対象となる人に限ります。)です。

(2)特別減税の対象となる所得税
 特別減税の対象となる所得税は「平成10年分所得税」ですが、源泉分離課税とされている所得又は源泉分離課税を選択した所得に対する所得税は除かれます。

(3)特別減税額
 改正後の特別減税額は、次の金額の合計額です。ただし、その合計額がその方の「平成10年分の所得税額」を超える場合には、その所得税額が限度となります。

1)本人38,000円(改正前18,000円+引上額20,000円)
2)控除対象配偶者及び扶養親族1人につき19,000円(改正前 9,000円+引上額10,000円)

(4)特別減税の実施方法
 特別減税の実施方法は、その所得が給与所得であるかどうかなどにより、次のようになります。
イ 給与所得がある方
 「平成10年分 給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している給与所得者(いわゆる甲欄適用者)については、その給与の支払者のもとで次により特別減税額の控除が行われます。
1)平成10年2月以後最初に支払われる給与に対する源泉徴収税額からの控除(平成10年2月1日現在の甲欄適用者に限られます。)
 源泉徴収をされるべき所得税額から月次給与特別減税額を控除(控除しきれない部分の金額は、以後平成10年中に支払われる給与について源泉徴収をされるべき所得税額から順次控除。ただし、次のAにより基本追加給与特別減税額に加算される部分の金額を除きます。)
2)平成10年8月以後最初に支払われる給与に対する源泉徴収税額からの控除(平成10年8月1日現在の甲欄適用者に限られます。)
 源泉徴収をされるべき所得税額から追加給与特別減税額を控除(基本追加給与特別減税額を控除。ただし、平成10年7月31日現在における@の控除未済額がある場合には、その未済額を基本追加給与特別減税額に加算した金額を控除。なお、控除しきれない部分の金額は、以後平成10年中に支払われる給与について源泉徴収をされるべき所得税額から順次控除)
(注)
1 月次給与(基本追加給与)特別減税額は、本人分18,000円(20,000円)に、平成10年2月1日(8月1日)以後最初に給与が支払われるときに提出されている扶養控除等申告書の記載内容に基づき、控除対象配偶者と扶養親族の実人員により計算した一定額(1人当たり 9,000円(10,000円))を加算して算出されます。
2 平成10年分の給与収入が2,000万円を超えることにより年末調整を受けないことになると見込まれる人についても、主たる給与の支払者のもとで月次(追加)給与特別減税額の控除が行われます。
3 給与支払明細書には、実際に控除された月次(追加)給与特別減税額が表示されます。
3)年末調整時における年税額からの控除
 年末調整の対象者で、かつ、平成10年中に支払の確定した給与を基に年末調整により計算した年税額がある人は、その年税額から年調給与特別減税額が控除されます。
(注)
1 改正後の年調給与特別減税額による控除は、今回の追加特別減税に関する改正法の施行日から適用されます。
2 年調給与特別減税額は、年末調整のときに提出されている扶養控除等申告書の記載内容に基づき計算されます。

ロ 公的年金等を受けている方
 原則として平成10年2月1日(8月1日)現在において、「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」を提出している公的年金等の受給者については、その公的年金等の支払者のもとで次により年金特別減税額の控除が行われますが、その受給者の最終的な特別減税額の精算は、確定申告によって行うことになります。
1)平成10年2月以後最初に支払われる公的年金等について、源泉徴収をされるべき所得税額から当初年金特別減税額を控除(控除しきれない部分の金額は、以後平成10年中に支払われる公的年金等について源泉徴収をされるべき所得税額から順次控除。ただし、次の2)により基本追加年金特別減税額に加算される部分の金額を除きます。)
2)平成10年8月以後最初に支払われる公的年金等について、源泉徴収をされるべき所得税額から追加年金特別減税額を控除(基本追加年金特別減税額を控除。ただし、平成10年7月31日現在における1)の控除未済額がある場合には、その未済額を基本追加年金特別減税額に加算した金額を控除。なお、控除しきれない部分の金額は、以後平成10年中に支払われる公的年金等について源泉徴収をされるべき所得税額から順次控除)
(注)当初年金(基本追加年金)特別減税額は、本人分18,000円(20,000円)に、平成10年2月1日(8月1日)以後最初に公的年金等が支払われるときに提出されている扶養親族等申告書の記載内容に基づき、控除対象配偶者と扶養親族の実人員により計算した一定額(1人当たり9,000円(10,000円))を加算して算出されます。

ハ 事業所得や不動産所得などがある方
1)平成10年分の予定納税額からの控除
 平成10年分の予定納税については、特別減税を適用しないで算出した第1期において納付すべき予定納税額から予定納税特別減税額が控除(控除しきれない部分の金額は、特別減税を適用しないで算出した第2期において納付すべき予定納税額から控除)されます。
 また、特別農業所得者の場合は、特別減税を適用しないで算出した第2期において納付すべき予定納税額から控除されます。
(注)
1 平成10年分の予定納税については、第1期分の納期が7月から8月に変更されています(一般の方の予定納税額の通知の時期も、例年より1か月遅くなっています。)。
2 予定納税特別減税額は、平成10年分の予定納税基準額の計算の基礎となった扶養親族等の数を基に計算されます。
2)確定申告における年税額からの控除
 事業所得者等で確定申告を行う人については、平成10年分の確定申告の際に、特別減税を適用しないで算出した所得税額から特別減税額が控除されます。
(注)
1 確定申告における特別減税額は、平成10年分の所得税額の計算の基礎となる扶養親族等の数を基に計算されます。
2 給与所得者や年金受給者の方が不動産所得などの他の所得がある場合等は、源泉徴収の段階で特別減税の適用を受けた上、最終的には、確定申告で特別減税額を精算することになります。

平成10年度分個人住民税の特別減税のあらまし
 平成10年度分個人住民税の特別減税の概要は次のとおりです。
(1)特別減税額
 特別減税額は、次の金額の合計額です。ただし、その合計額がその方の「平成10年度分個人住民税所得割額」を超える場合には、その所得割額が限度額となります。

1)本人17,000円(改正前 8,000円+引上額 9,000円)
2)控除対象配偶者及び扶養親族1人につき8,500円(改正前 4,000円+引上額 4,500円)

(2)特別減税の実施方法
 特別減税の実施方法は、次のようになります。
 なお、平成10年度においては、特別減税の追加実施に伴い、例年5月31日までに通知することとされていた特別徴収税額通知書の通知期限が6月30日までに延長されます。このことによって、各市(区)町村からの特別徴収税額通知書の送付が例年より遅くなります。
イ 給与所得がある方(特別徴収の場合)
 平成10年6月において均等割額及び所得割額ともに徴収せず、特別減税額を控除した後の年税額を同年7月から翌年5月までの11か月間で徴収します。

ロ 公的年金等を受けている方、事業所得等がある方(普通徴収の場合)
 平成10年度第1期分として納付すべき個人住民税額から特別減税額が控除されます。第1期分で控除しきれない分については第2期分以降順次控除されます。なお、平成10年度においては、特別減税の追加実施に伴い、市(区)町村では、例年は6月中において定めていた第1期の納期が7月中に変更されている場合があります(なお、具体的な納期は、各市(区)町村の条例により定められることとなっておりますので、詳細については各市(区)町村においてご確認ください。)。このことによって、各市(区)町村からの納税通知書の送付が例年より遅くなります。