ストックオプション促進 課税繰り延べ容認
〜大蔵省 98年度から特例措置〜
Updated on 10/24/97

 大蔵省はストックオプション制度の利用を促進するために、98年度から税制上の特例措置を導入する。役員、従業員が権利を行使し、自社株を取得した段階で発生する含み益を給与とみなして所得税を課す現行制度を改め、自社株の売却時まで繰り延べる。実際に収入がない権利行使段階で課税すると、制度が活用されない恐れがあると判断した。大株主は除外するなど適用条件を詰めた上で、98年度税制改正に盛り込む。

 大蔵省は今年6月に解禁になったストックオプション制度導入の機運の高まりに対応し、権利行使時の所得課税と自社株売却時の譲渡益課税の2本立てになっている現行制度を見直し、自社株を売却した時点で売却価格と行使価格の差額を譲渡益として課税する方式に一本化することにした。権利行使時に納税資金を手当する必要をなくし、権利を付与された役員、従業員が自由に権利行使できる環境を整える狙いだ。納税資金の捻出のための株式売却が不要になり、個人投資家の株式の長期保有に繋がると見ている。
 一方、大蔵省は所得税逃れに悪用されることを防ぐため、政府や自民党の税制調査会の議論を踏まえ、適用条件を詰める。具体的には、発行済み株式の3分の1超を保有する大株主は適用除外とし、1人当たりの付与額の上限を権利行使価格の総額で見て年間500万円以下に制限する案が有力だ。権利行使価格が権利付与時の株価を下回らない場合に限定すると同時に、権利付与から1年間または2年間は権利行使を原則禁止し、短期で権利行使した場合は従来通り、権利行使時の株価と権利行使価格の差額を所得とみなして課税する方向だ。