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労働省はこのほど、企業のネットワーク化の進展に伴い、就業規則の周知方法について、パソコンなどの電子機器から電子データとして取り出す方法であっても法的に問題ないという行政解釈(平成9年10月22日基発第680号)を示し、都道府県労働基準監督局長宛に通達した。 通常就業規則の周知は書面化された就業規則等を労働者に必要に応じて閲覧できる場所に用意しておく形で行われるが、今回新しく示された解釈は、こうした書面による一般的な周知方法とは別に最近の情報通信化の進展・普及に伴い電子機器を用いた方法も、労働基準法第106条第1項の周知義務の要件を満たすことを明らかにしたものである。それによれば 1.各労働者に就業規則等を電子データとして取り出すことができるよう電子機器の操作の権限が与えられていること 2.事業場において各労働者に対して必要なときに就業規則等の内容を容易に確認できるよう電子機器からデータを取り出す方法が周知されていること の2つの要件を満たしている場合に限り、合法的に周知したものと取り扱うとしている。 この新たな解釈について同省では「今までの解釈を変えたというのではなく、一歩進めてそれを明確化したもの。例えば就業規則のデータを取り出そうという時に、誰でも許可なく行えること、また時間待ちで翌日にならないと見られない状況にあるものは認められない」(監督課)としている。 従って大規模な事業場で数台の機器しかない場合には認められないが、1人に1台のパソコンが配置されていることまでは要しない。また電子機器の操作ができない者がいる場合には、書類による周知を併せて行うなどの方法が必要になる。 |