労働基準法の一部を改正する法律案
Updated on 2/14/98

 労働省においては、「労働基準法の一部を改正する法律案」を作成し、2月10日、同法律案の国会提出について閣議に付議し、閣議決定がなされた。

T  趣旨
 経済のグローバル化や産業・就業構造の変化、就業意識の変化など内外にわたる経済社会の変化に対応して、労働者がその能力を十分に発揮し、経済社会の活力を支えることができるよう、家庭生活との調和を考慮し職場における労働条件や環境の整備を進める。

U  改正案の概要
1  経済社会の変化に対応した主体的な働き方のルールづくり
(1)労働契約期間の上限 −  現行は契約期間を定める場合は、1年が上限
 新商品、新技術の開発等の業務、新規事業の展開などのプロジェクト業務に従事する高度の専門的知識、技術等を有する者を確保するため新たに雇い入れる場合や60歳以上の高齢者について、労働契約期間の上限を3年に延長
(2)裁量労働制 − 労働時間管理を本人の自主性にゆだねる制度
 自律的で創造的な働き方を実現するため、企業の本社等の中枢部門で企画、立案等の業務を自らの裁量をもって遂行するホワイトカラーについて、労使が実質的に話し合う場として事業場内に設ける労使委員会による対象となる者の具体的範囲、健康確保のための措置などについての決議に基づいて行うことを条件として裁量労働制を適用
2  職業生活と家庭生活との調和、労働時間の短縮のための環境づくり
(1)長時間にわたる時間外労働の抑制
 現行の「適正化のためのガイドライン」を「時間外労働の上限に関する基準」として法的根拠を与え、労使は時間外労働協定(36協定)による延長時間がこの基準に適合したものとなるようにしなければならないこととし、行政の行う助言及び指導と相まって、適正な水準のものとする。
(2)女子保護規定の解消に伴う時間外労働の激変緩和措置
イ.育児や介護を行う女性労働者のうち希望者について、労働省令で定める期間、(1)の基準において通常の労働者よりも低い水準の延長時間の限度を設定
ロ.この期間が終了するまでの間に家庭責任を有する男女労働者の時間外労働に関する制度の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる。
(3)年次有給休暇 −  現行では継続勤務1年ごとに1日ずつ増加
 労働移動の増加に対応するほか、中小企業における労働者の定着に配慮して、2年6か月を超える継続勤務1年ごとに2日ずつの増加にする。
(4)1年単位の変形労働時間制 −  年間を通じて週平均40時間を実現する弾力的な労働時間制度
 業務の繁閑に合わせて効率的でメリハリの効いた働き方を実現するとともに、総労働時間の短縮を図るよう、一定日数以上の休日の確保と、1日及び1週間の所定労働時間の限度(省令)、労働日・労働時間の設定の期間、対象労働者の範囲等の弾力化を、一体のものとして実施
  3  労働契約の複雑化、個別化に対応したルールづくり
(1) 労働契約締結時の労働条件の明示 − 現行では賃金に関する事項を書面で明示
 就業場所、従事する業務、労働時間・休日等の省令で定める事項について、労働契約の締結時に書面で労働者に明示
(2) 退職事由の明示
 退職労働者から請求があったときは、退職の事由について書面で労働者に明示
(3) 労働条件紛争の解決援助のためのシステム
 労働条件に関する個別の紛争の増加に対応して、都道府県労働基準局長は、当事者からの援助の申出を受けて簡易、迅速な解決のための助言、指導を行う。
(4) 就業規則、労使協定等の周知  就業規則、労使協定等について、掲示、備付け又は労働者に書面を交付することのいずれかにより労働者に周知
4  労働者の最低年齢
 現行では15歳、軽易な労働に係る許可年齢は12歳であるが、児童労働に関する国際的動向に沿って、それぞれ15歳の学年末、13歳に改める。
5  施行期日
 平成11年4月1日(3(3)は平成10年10月1日、4は平成12年4月1日)