調査の概要
1 この調査は、情報通信等の技術革新の進展に伴う労働態様の変化、それに対する労働者の適応、事業所における職場環境や労働者の衛生管理等の実態を把握することを目的とし、平成10年11月に実施したものである。
2 調査対象は、日本標準産業分類による鉱業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、運輸・通信業、卸売・小売業,飲食店、金融・保険業、不動産業及びサービス業に属する常用労働者を30人以上雇用する民営事業所のうちから一定の方法で抽出した約12,000事業所(有効回答率84.7%)並びにこれらの事業所に雇用されている事務管理等部門の労働者のうちから一定の方法で抽出した約12,000人(同70.1%)を対象とした。
3 調査の内容は、原則として平成10年10月31日現在の状況である。
調査結果の概要
事業所調査
1 コンピュータ機器の導入状況等
1)事務管理等部門においてコンピュータ機器を導入している事業所は97.6%となっており、そのうち95.1%の事業所がパソコンを導入している(第1表、第2表)。
2)パソコンをネットワーク化し使用している事業所は、38.7%であった(第4表)。
3)過去5年間にコンピュータ機器の導入に伴い労働条件面を「変更した」とする事業所は16.5%であり、そのうち「労働時間を短縮した」ものが81.1%であった(第6表)。
4)コンピュータ機器の使用に伴って「目の疲れ、肩のこり等の身体的な疲労を訴える者が増えた」と認識している事業所は28.5%、また、「精神的ストレスを訴える者が増えた」と認識している事業所は5.4%であった(第9表)。
2 VDT関連
1)「専用の作業室、作業区画」を有する事業所で「照明、採光対策」を実施しているとする事業所は、90.7%であった(第11−1表)。
2)VDT(Visual or Video Display Terminals)作業の時間管理を行っている事業所は15.3%、また、専任VDT作業者がいる事業所についても35.1%となっている(第12−1表)。
3)VDT健康診断を実施していない事業所は90.1%となり、実施していない理由の59.8%は「通常の定期健康診断で十分と考えているから」であった(第13表)。
4)VDT作業従事者に対する労働衛生教育を実施している事業所は、9.6%となっている(第14−1表)。
3 ME機器等
1)生産現場がある事業所においてME(micro-electronics)機器等を導入している割合は、51.8%となっている(第16表)。
2)ME機器等の導入に伴って安全衛生面での特別な対策を実施している事業所は80.6%となっており、そのうち70.2%の事業所が「事前に安全性を評価している」としている(第18表)。
3)過去3年間にME機器等によって、「労働災害があった」事業所は8.0%であり、その災害の52.2%は「通常の稼動中」に発生している。また、発生原因をみると「人為的ミス」が93.6%、「機器・システム等の欠陥」は4.5%となっている(第19−1表、第19−2表)。
労働者調査
1)事務管理等部門において仕事でコンピュータ機器を使用している労働者は、90.2%であった。また、使用している割合が最も高い年齢層は30〜39歳で94.5%となっている(第20表)。
2)1日当たりVDT作業を行う時間は「2時間以上4時間未満」とする割合が最も多く29.6%、次いで「1時間以上2時間未満」23.4%となっている(第25表)。
3)職場のコンピュータ機器及びソフトウェアの導入状況に「変化があった」とする労働者は、92.1%であったが、そのうち65.4%が「実労働時間は変わらない」としている(第26-1表)。
4)コンピュータ機器を使用する仕事に「適応できていない」とする労働者は、10.8%である。この割合は、年齢が高くなるほど高くなる傾向にあり、50〜59歳で18.5%になっている(第27表)。
5)仕事でコンピュータ機器を使用することに精神的な疲労やストレスを「感じている」とする労働者は36.3%となっている。また、女性の方がストレスを感じている割合が高く、男性の33.5%に対し39.6%となっている(第28表)。
6)仕事でコンピュータ機器を使用することに身体的疲労・自覚症状を感じている労働者は、77.6%となっている。特に派遣労働者については92.8%が「身体的疲労・自覚症状がある」としている。疲れの部位別にみると、「目の疲れ・痛み」(90.4%)、「首、肩のこり・痛み」(69.3%)が高い(第29表)。
7)VDT作業に関する労働衛生教育を受けた労働者の割合は17.9%となっている(第32表)。
8)VDT作業を行う場所の作業環境については、「採光・照明」、「温度」に関して「適当」あるいは「気にならない」とする割合が80%以上である。一方、労働者がマイナスの評価をしたもので割合が高かったものは、机・作業台・イスが「(少し)使いにくい」(43.8%)、レイアウトが「(少し)使いにくい」(43.7%)、作業空間が「狭すぎる若しくは広すぎる」(42.6%)となっている(第34表)。
調査結果
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