介護休業給付についての中央職業安定審議会諮問及び答申
〜労働省〜
Updated on 3/1/99

 労働省においては、昨年3月31日に成立した「雇用保険法及び船員保険法の一部を改正する法律」(平成10年法律第19号)により、雇用保険制度の失業等給付の雇用継続給付として介護休業給付を創設しました。本日、その介護休業給付に関し、支給手続き等の具体的な内容について、「雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱」として、中央職業安定審議会に諮問し、同審議会より、「労働省案は、妥当と認める。」との答申を得たところです。これによる介護休業給付制度の概要は以下のとおりです。

1 介護休業給付の概要
(1) 支給対象者
 家族を介護するための休業をした雇用保険の一般被保険者で、介護休業開始日前に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月(過去に基本手当の受給資格の決定を受けたことがある者については、基本手当の受給資格を受けた後のものに限る。)が12カ月以上あるものが支給対象者になります。

(2) 支給対象となる介護休業
 介護休業給付金は、以下の要件等を満たす介護休業であって、介護休業の対象となる家族1人につき、休業開始日から最長3カ月を経過する日までの介護をしている一の期間について支給されます。
1.一般被保険者の配偶者(事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む)、父母(養父母を含む)、子(養子を含む)、配偶者の父母(養父母を含む)又は一般被保険者が同居し、かつ、扶養している祖父母、兄弟姉妹、孫を介護するための休業であること。
2.一般被保険者が休業の開始予定日と終了予定日を明らかにし、事業主に申し出て認められた休業であること。

(3) 給付の内容
 介護休業給付金は、介護休業を開始した日から起算した1カ月ごとの期間(その1カ月の間に介護休業終了日を含む場合はその介護休業終了日までの期間。以下支給単位期間という。)について支給されます。介護休業給付金の対象となる介護休業の期間は1人の家族あたり最長3カ月ですので、介護休業給付金の支給対象は最長3支給単位期間ということになります。介護休業給付金は、各支給単位期間ごとに支給額を計算し支給されます。

(4) 支給額
 介護休業給付金の各支給単位期間ごとの支給額は、原則として、休業開始前の賃金に基づいて計算された賃金日額の30日分の25%です。

2 介護休業給付金の支給手続
(1) 雇用保険被保険者休業開始時賃金証明書の提出
 事業主は、その雇用する被保険者が介護休業を開始したときは、休業を開始した日の翌日から10日以内に、雇用保険被保険者休業開始時賃金証明書を事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に提出しなければなりません。ただし、事業主が被保険者に代わって介護休業給付金の支給申請をする場合には、その支給申請書を提出するまでの間に提出すれば足りるものとします。

(2) 介護休業給付金の支給申請手続
 被保険者は、介護休業給付金の支給を受けようとするときは、休業終了日の翌日から起算して2カ月を経過する日の属する月の末日までに、介護休業給付金支給申請書に必要書類を添えて、事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に提出しなければなりません。

(3) 支給申請の代理
 事業主は、労働組合等との書面による協定があるときは、被保険者に代わって支給申請手続をすることができるものとします。

(4) 支給決定の通知
 公共職業安定所長は、申請に基づき支給する場合には、被保険者に対し、介護休業給付金を支給する旨を通知しなければならないものとします。

3 育児休業給付に関する手続の簡素化等
 今回育児休業給付についてもあわせて見直しを行いました。改正点は以下のとおりです。
(1)育児休業給付(育児休業基本給付金)についても、事業主は、その雇用する被保険者が介護休業を開始したときは、休業を開始した日の翌日から10日以内に、雇用保険被保険者休業開始時賃金証明書を事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に提出しなければならないこととされていますが、事業主が被保険者に代わって支給申請手続をする場合には、雇用保険被保険者休業開始時賃金証明書は、初回の支給申請手続時までに提出すれば足りるものとします。
(2)育児休業給付の支給申請期限を延長します。

4 開始日
 介護休業制度の義務化にあわせ、平成11年4月1日から開始する予定です。