[T]調査の概要
1 この調査は、労働市場における常用労働者の移動状況を把握することを目的として、毎年上期(1月〜6月)及び下期(7月〜12月)に分けて実施している。今回平成10年上期分の概要を取りまとめた。
2 調査対象は、日本標準産業分類による主要9大産業 [ 鉱業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、運輸・通信業、卸売・小売業,飲食店、金融・保険業、不動産業、サービス業(家事サービス業、教育、外国公務を除く)]に属する常用労働者5人以上を雇用する事業所から抽出した約1万4千事業所(有効回答率86.0%)及び同事業所における平成10年上期の入職者・離職者から抽出した入職者約6万5千人、離職者約6万人について調査した。
3 調査産業計は平成3年から建設業を含めて集計しているが、平成2年以前の調査産業計は建設業を除いて集計していた。したがって、時系列比較を行う場合は注意が必要である。なお図表は特に断りのない限り調査産業計で作成している。
[U]調査結果の概要
1 入職・離職の状況
−入職・離職率とも低下、特に入職率は4年ぶりの低下−
(1)平成10年上期の延べ労働移動者は661万人、延べ労働移動率は16.8%で、前年同期と比べると24万人の減少、0.7ポイントの低下となった。
(2)入職者は335万人、離職者は326万人で、前年同期と比べると入職者は21万人、離職者は3万人それぞれ減少した。入職率は8.5%、離職率は8.3%で、前年同期と比べると入職率は0.6ポイント、離職率は0.1ポイントそれぞれ低下し、特に入職率は、平成6年以来4年ぶりの低下となった。入職超過率は0.2ポイントで前年同期と比べると0.5ポイント低下した。
(3)就業形態別に比率をみると、一般労働者は入職率7.4%(前年同期8.1%)、離職率7.1%(同7.4%)で、パートタイム労働者は入職率15.5%(同15.5%)、離職率は15.6%(同14.8%)となった。前年同期と比べると一般労働者では入職・離職率とも低下、パートタイム労働者では入職率は同水準、離職率は上昇した。
(4)男女別、就業形態別に比率をみると、男は一般労働者が入職率6.4%(前年同期7.0%)、離職率6.2%(同6.6%)、パートタイム労働者が入職率22.7%(同16.3%)、離職率23.2%(同19.3%)で、女は一般労働者が入職率9.7%(同10.5%)、離職率9.2%(同9.1%)、パートタイム労働者が入職率13.8%(同15.3%)、離職率13.9%(同13.7%)となった。前年同期と比べると男は一般労働者が入職率、離職率ともに低下し、パートタイム労働者では入職率、離職率ともに大幅に上昇した。女は一般労働者・パートタイム労働者ともに、入職率が低下し、離職率が上昇した。
2 入職者の状況
−入職率の低下幅は女で大きく、転職入職者の離職期間は「6ヵ月〜1年」で上昇−
(1)入職率を男女別にみると、男が7.1%、女が10.9%で、前年同期と比べると男は0.3ポイント女は1.0ポイントそれぞれ低下し、特に女の低下幅が大きい。
(2)入職率を主な産業別にみると、サービス業11.4%、卸売・小売業,飲食店9.7%、建設業7.9%、製造業5.8%で、前年同期と比べるとサービス業0.3ポイント、卸売・小売業,飲食店0.2ポイント、建設業2.6ポイント、製造業0.7ポイントと全て低下した。特に建設業、製造業の低下幅が大きい。
(3)入職者のうち、転職入職者は176万人、未就業入職者159万人となった。これを比率でみると転職入職率は4.5%、未就業入職率は4.1%で、前年同期と比べると転職入職率は0.1ポイント上昇、未就業入職率は0.7ポイント低下した。
(4)転職入職者の主な特徴は以下のとおりである。
1.年齢階級別には24歳以下の若年層と60歳代前半層で転職入職率が高い。
2.産業間では第3次産業への転職入職の割合が上昇し、第2次産業への転職入職の割合が低下した。
3.企業規模間ではより小さい規模への移動の割合が上昇した。
4.離職期間別では「6ヵ月〜1年」の割合が上昇した。
3 離職者の状況
−離職理由は「経営上の都合」が上昇、「個人的理由」が低下−
(1)離職率を男女別にみると、男が6.9%、女が10.6%で、前年同期と比べると男が0.3ポイント低下し、女は0.1ポイント上昇した。
(2)離職率を主な産業別にみると卸売・小売業,飲食店10.1%、サービス業9.5%、建設業7.8%、製造業6.8%で、前年同期と比べると、製造業は0.6ポイント上昇し、卸売・小売業,飲食店は同水準、建設業1.4ポイント、サービス業0.4ポイントそれぞれ低下した。
(3)離職理由別構成比をみると「個人的理由」(65.9%)が最も高く、次いで「契約期間の満了」(10.7%)、「経営上の都合」(9.2%)、「定年」(6.4%)、「本人の責」(5.8%)となっており、前年同期と比べると、「経営上の都合」が1.9ポイント「定年」が0.4ポイント、「本人の責」が0.4ポイント、「契約期間の満了」が0.1ポイントと非自発的理由がいずれも上昇し、「個人的理由」が3.0ポイント低下した。
4 パートタイム労働者の状況
−入職者、離職者に占めるパートタイム労働者の割合が上昇−
(1)入職者に占めるパートタイム労働者の割合は25.8%、離職者に占めるパートタイム労働者の割合は26.8%で、前年同期と比べると、入職者は2.1ポイント、離職者は2.3ポイントといずれも上昇した。
(2)男女別にパートタイム労働者の占める割合をみると、男が入職者で13.5%、離職者で14.1%、女が入職者で38.9%、離職者で40.3%で、前年同期と比べると男は入職者で4.2ポイント、離職者で2.8ポイントそれぞれ上昇し、女は入職者で0.5ポイント、離職者で1.1ポイントそれぞれ上昇した。入職者、離職者で、男女とも上昇となったが男の上昇幅が大きい。
5 未充足求人の状況
−欠員率は半減−
平成10年6月末現在の未充足求人数は33万人、欠員率(在籍常用労働者に対する未充足求人の割合)は0.8%で、前年と比べると37万人減少、1.0ポイント低下した。
うちパートタイム労働者の欠員率は1.7%で、前年と比べると0.6ポイント低下した。
V 調査結果
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