福利厚生費 1人50万円超は課税
〜大蔵省方針〜(8/24/97)

Updated on 8/24/97

 大蔵省は社宅や保養所など企業が従業員の福利厚生のために支出する費用について一定額以上は損金算入を認めず、課税対象にする方針を固めた。現在は全額を経費とみなして損金算入を認めている。しかし企業によっては経費というより従業員への利益配分に近くなっており、無制限に損金算入を認めるのは問題があると判断した。従業員1人当たり年間で50万円を超す支出について課税する方向で検討する。大蔵省は法人税率を引き下げる代わりに課税ベースを広げる考えだが、その一環として年末の98年度税制改正での実現を目指す。

 法定外の福利厚生費は現在、企業の全額損金参入を認める一方、現物給与として従業員の給与所得に含めて課税するのが原則になっている。ただ一定基準以下の場合は課税しない上、税務執行の難しさもあって実際に課税される例は少ない。この為、福利厚生費が経費というよりも利益処分に近い実態の企業もあるとされている。
 これまで大蔵省は役員の豪華社宅について、95年から現物給与としての課税を強化するなど、個人の所得課税の面から是正に取り組んできた。しかし所得課税の見直しだけでは限界があり、企業の支出面から見直す必要があると判断した。法人税改革の一環として一定金額を超す法定外福利厚生費については損金参入を認めず、課税対象とする。なお損金参入の限度額は従業員数に一定金額をかけて算出する方法が有力となっている。一定金額については、1人あたり年間50万円を軸に企業の実状にあわせて調整する。ただ看護婦の寮など業務と密接に関連する福利厚生費もあり、こうした分野については別枠で損金参入を認めるべきだとの意見もあり、今後早急に詰めることとなる。