労働省 残業協定の上限順守を義務化へ
Updated on 1/21/98

 労働基準法の抜本的改正を進めている労働省は、労使が決める時間外労働(残業)協定の上限基準(現行年360時間)を順守することを事実上義務化する方針を固めた。さらに残業を年間150時間に制限している「女子保護規定」撤廃の代償となる激変緩和措置を実施する3年間に、この上限基準を見直す方針も決めた。同方針は21日の中央労働基準審議会(労相の諮問機関、中基審)に諮る労基法改正の要綱案に盛り込まれる。
 労働省は昨年12月に答申を受けた中基審の最終報告をもとに要綱案を詰めてきた。最終報告では、時間外労働協定による上限基準を設定する法的根拠を設けるとともに、使用者はその基準を「留意すべきだ」としていた。
 これに対し、与党の社民党は、同省に対して「留意では意味があいまいで、効果が期待できない」などと修正を強く求めた。調整の結果、「留意」に代わり、「労使は、上限基準に適合したもの(協定)となるようにしなければならない」と、基準の順守を事実上義務化することで決着した。労働省は年間労働時間1800時間をめざしているが、義務化されれば、時短が進むとみられる。
 激変緩和措置は、育児など家族責任のある女性に対して、現行年360時間の残業の上限を下回る協定を認めるもので、国会の付帯決議で求められていた。