職能給はなぜ無理があるか?

 「社員のヤル気を喚起し、かつ使いやすく明快な給与体系にしてくれ。」これが我々人事コンサルタントが企業から依頼される内容です。そしてこの依頼に対し、今までは一番ポピュラーな職能給導入が選択されてきました。かつて職能給は能力主義の代表選手であり、特にいわゆるバブル期を前後して、相当多くの企業が導入を図りました。賃金のセミナーといえば職能給、書店にも職能給の本が並び、多くのコンサルタントも「職能給こそ最も合理的な賃金体系」と言って推進をしてきました。
 しかし現在、「職能給はダメだ!」と言わねば時代遅れであるような状況にあります。実際にとことんやってそう思われている方もいれば、職能給を手がけてもいないのに「これからは年俸制だ!」などと主張されている方もいます。
 確かに職能給という賃金制度は「賃金カーブの秩序を維持する」一面があるため、導入したとしてもちょっと運用がまずいと直ちに年功賃金に化けてしまいます。そしてほとんどの中小企業は、運用ができないか、もしくは導入に失敗した(理由は後述)ため、職能給は徐々に「使えないもの」という評判が立ち始めました。

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