Last Updated on 2/20/2001
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 こちらでは99年2月20日に名南人事賃金システム研究所として書き下ろしました「オーナー企業の賃金制度改革+アウトソーシング」(日本法令)をご紹介します。なお出版元(日本法令)では完売となっております。

第1編 能力主義・成果主義に対応するノウハウ
1-1 能力主義・成果主義の必要性
1-2 人事制度を改革する理由
1-3 中小企業に適合する人事制度
1-4 従来の人事評価の問題点
1-5 オーナー企業専用!「認定方式」の実務
1-6 人事制度を改革する場合のステップ

第2編 報酬制度を改革するステップ
2-1 賃金制度の改革
2-2 賞与制度の改革
2-3 退職金制度の改革

第3編 中小企業における人事労務アウトソーシングを検証する
3-1 アウトソーシングについて
3-2 アウトソーシングの実例


 人事制度を変革しようとする場合、書籍を読んだり研修会へ出向いてノウハウを学び、それを自社なりに加工して導入しようとするのが普通ですが、ここで注意していただきたいことがあります。というのは、それらは残念ながら、かつて大企業で採用されていた右肩上がり時代のノウハウをスケールダウンしたりマイナーチェンジしただけのものがまだ多いように思うのです。

 私共もかつてはこういうノウハウのユーザーでしたが、実際に中小企業の現場で人事制度の改善を推進していると、「これ、ちょっとおかしいんじゃないか?」と思えることしきりだったのです。成果主義とか年功序列からの脱却、という総論はいいのですが、各論になると、相変わらず賃金制度のメインフレームとして、等級上昇に比例して昇給ピッチも上がる能力給表や、果ては年齢給の設計まで出てくる。つまり中身は何も変わっていないのです。今の時代、さらに中小企業でこのような賃金システムを採用すればほとんどのケ−スで破綻をしてしまいます。

 また、年功序列からの脱却にしても、結局は、「人事評価をしっかりやりましょう。そのためには客観的な基準が必要です。そのためにはキチンとした能力基準(職能要件)や詳細な人事評価表が必要です。」という一見、正論のような主張が繰り返され、様々な人事評価のためのフォームが掲載されています。しかし、これらの内容は理路整然とはしていますが、根本的な発想がズレているのでは…と思えてなりません。それは、「人事制度づくりは、公平な評価基準を作ることによって納得性を追求するもの」、という発想が根底にあって論が展開されている点です。

 実はここが大問題だったのです。最初に「公平な基準づくり」にとらわれると、人事制度の改定はほとんど失敗してしまうのです。やり方が悪いとか理解が足らない、という問題ではなく、この「公平な基準を作らなければならない」という最初のボタンの掛け違いが、人事制度の改定をどうしようもない混乱に陥れてしまうのです。これには本当に長い間悩まされ続けました。

 私共では15年前から、職能給から始まって、職務制に基づいた役割給、半期年俸制等々、考え得る様々な報酬制度やそれに適合すると思われる評価制度などを300社以上の企業で研究・導入指導をしてきましたが、こうした中、素直な視点で、仮説→検証→導入→維持というプロセスを数多く経ていくと自ずと見えてくるものがあります。つまり、中小企業さんに最も適するやり方は何か、が徐々に判ってきたのです。それは以下のように従来の常識とはかなり異なるものでした。
★人事評価表は不要!〜納得性は「価値観のぶつかり合い」からのみ得られる。
★能力等級は不要!〜無用な序列が硬直化と混乱を招く。
★能力基準は不要!〜公平な基準に基づいて事制度を構築する、と宣言してはいけない。
★絶対評価は大ウソ!〜絶対評価と相対評価の議論は無意味。
★賃金表は不要!〜かえって邪魔な数字の羅列。単なる目盛だけの価値しかない。
★昇給は自由に!〜原則はストップ。そして上げたい人を上げればいい。
★賞与は基本給と分離!〜しがらみを断ち切り、成果主義を実現する最初の手段。
★退職金は不要!〜本給分離型はあたり前。報酬戦略上の価値は低い。
 中小企業で人事制度を構築し維持するうえで本当に必要なのは、実はごくシンプルなコツだったのです。詳しくは本文の中で述べますが、特別な理論やテクニックはほとんど必要ありません。ちょっとした仕掛けと、今まで少し怠っていた対策を打っていただければ充分に機能するものです。そしてこれはどのような時代であろうと、中小企業である限り通用する方法なのです。是非、導入を検討してみて下さい。

 また本書では、最近話題の人事労務のアウトソーシングをどのように推進していったらよいかについても触れておきます。これは人事労務の専任担当者を置くほどではない企業が、その重点的な業務をアウトソースするにあたってのポイントを実例を交えて考察したものです。

 本書には未熟な内容も多々あると思いますが、原理は至ってシンプルなものですので、皆さんの知恵をここに加えてよりすばらしいものにしていっていただければ幸いです。


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